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「ペットライフ」草津てるにょ
「ペットライフ」 草津てるにょ/コアマガジン

 コミックスのタイトルは収録作の1編「ペットライフ」から取られているけど、メインは「テンニョノハゴロモ」の連作だと思う。これと「ある日の帰り道」と「チヨリコキモノ」が、シチュエーションは違うがヒロインが男に半ば強引に関係を持たされ、ずるずると続くうちに快楽の中で虜になってしまうといった流れの作品なので、コミックス全体が堕とされモノのようなイメージがある。

「テンニョノハゴロモ」3作は年上のヒロインが多い作者には珍しく、高校生のヒロインの相手が同級生。幼馴染で好きな子がいるのに、ふとしたアクシデントから別の同級生に処女を奪われ、何度も体を重ねるうちに感じるようになり、促されるままにおねだりもするようになったり甘えた声を出してしまっ
たりという変化がいやらしい。
 3作目でこんな関係を止めてちゃんと想い人に告白すると告げて男も了解するのだけど、最後にと小さい競泳用水着を着てのプレイで何回もイカされて、今日は遅くなったから告白は断念してしまい、帰り道にまた体を弄られて蕩けてしまうという堕ちっぷりが何とも言えない。
 ただ、短編1作としてならともかく、連作の締めとしてはあまり終わった感がなくて中途半端。2作目で「生理が来ない」とか独白してそのままだったり、絶頂して放心のところを記念にと写メ撮られてしまったのも伏線と言えば伏線っぽいし、できれば続けて欲しい。ズルズルいって無闇やたらと凌辱要素を加えて野外露出させたり他の男を加えたりとかなってグダグダになるのは怖いが。そう考えるともう少し読みたいというところで終わってしまうのも良いかもしれない。

「チヨリコキモノ」は、娘の恋人と関係を持つ話で、「ある日の帰り道」は息子の友達に電車で痴漢さ
れた上に家で体を奪われるという話。子供と同じくらいの年の子にとか抵抗しつつも、体は快楽に逆らえないとか、好きな人には堪らないシチュエーションだと思う。強引にされつつもすばやく堕ちてしまうので、逆に言う事を聞かせるための凌辱などは無いのが物足りない人には物足りないかもしれない。

 女が受身という構図が多い中で、「ペットライフ」は異色作として目立っている。その昔、子供の頃に童貞を奪ったお姉さんが主人公の学校に教師として赴任してきて、昔のようにペット扱いで愛玩されかけて……という展開で、少し捻ったオチ。女上位での進め方も良い感じ。

 圧倒的な画力とか、ストーリー構成力とか、エロギミック駆使とかの点から見ると少し物足りない部分も無いではないけど、総合力としてのエロさは十二分に溢れている。ところどころの台詞とか表現とかは巧いなと感じる。よく考えれるとけっこうなキャリアを誇っている訳か。良い一冊。

        

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2008/10/22 20:43】 | 草津てるにょ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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