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「初愛」 田中ユタカ/竹書房
しばらく一般誌での活動をしていて、エロ漫画としては久々の新刊。 絵柄など以前とは変化している部分はあるけれど、読んでみると良い意味で変わらない田中ユタカの漫画だった。純愛系のエロ漫画というカテゴリーなんだけど、それよりも田中ユタカ漫画と言った方がしっくりくる感じ。 それぞれ独立した短編が9編収録されていて、本のタイトルにもなっている「初愛」以下、ほとんどの作品が恋人同士の初めての姿を描いている。そのため二人とも初めてとか、失敗しての再挑戦といったシチュエーションが目立っている。 起承転結のあるお話というより、場面切り出し型の話の構成なのだけれど、それでも二人がどういう関係でどのようにしてこうなっているのかというのは多かれ少なかれわかるように描かれているのは巧いと思う。そうしたあれこれの結実として結ばれているんだという背景があると同じ行為を見ていても没入感が変わってくる。 そう凝ったプレイをしたり、淫語を叫んだり、汁塗れになったりといった描写はほとんど無いけれど、ヒロインの歓びとか、感じている描写、何より幸せそうな表情というのが、独特のエロさを感じさせてくれる。何とも言えない満足感が生じてくる。 絵としては主人公も描かれているけれど一人称視点でやり取りしているように感じさせるのが大きいか。恋人がこちらを見つめているといった構図も多いし。 それなので逆に「美雪の性器のニオい…」なんて表現出てくると、が妙にドキリと感じたりする。 同級生同士、先輩と後輩、憧れていたお姉さんなど、カップルの関係はいろいろ。教師と女生徒の話が、あえて在籍中は禁断の関係にはならず卒業までの時間を待ってようやく……というシチュエーションで、田中ユタカらしいなあと感じた。 エロいというより読んでて幸せになるようなエロ漫画で、それでいてエロが温いわけでは無くて十分以上にエロい。お勧め。 |
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