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「Japanese Preteen Suite」 東山翔/茜新社
小学生のヒロイン群で描いた連作集。同じ舞台での独立した短編を描きつつ、最後でややご都合主義ながら登場人物全員集めての話かつ最後のヒロインの初めて話を描くという、何だか力が入っているのが伝わる一冊。 個々の話は起承転結でのきっちりとしたお話というより流れのあるシーンの切り出しといった印象を受けた。全部でヒロインとなる女の子は六人で、既に複数のお兄ちゃん達と同時に関係を重ねている子や、言葉巧みに実の兄を誘惑する子、優等生の仮面を被っている子など多彩。 どの話も基本的に和姦で無理やりといったシチュエーションはない。 エロという観点だと多人数プレイの「The Three Question Marks」なんかいろいろと濃いのだけれど、「Addiction」の女の子の変態性などもなかなか。同級生の男の子の笛を使っての一人遊びとか斬新だと思う。「The Garden of Earthly Delights」での丹念に描いた初体験などもかなり来るものがある。 最後のお話、全登場人物を集めていながら、乱交であったり一室での併行プレイとかはせずに、点々と単独での様子を描くにとどめる辺りがなかなか面白いなと思った。 コミックスのおまけとしてはそれぞれの話について作者自身の解説がされているのと、四コママンガが数ページつけられている。 どんなに良い作品であっても小学生相手とかは許容範囲外という人も多いだろうけど、抵抗がない人にはぜひ読んでほしい。読んで損は無いと思う。 |
「新婚さんごっこ」 久川ちん/コアマガジン
初コミックスと言うことで、過去3年間ほどの作品が収録されている。雑誌掲載の9本と描き下ろし1本のどれもが舌を巻くほどレベルが高い。すでに安定感すら感じられる。出来れば変な方向へ鋭角化したりしないで欲しいと余計な心配をしてしまう程。 1月発売ではあるが、2010年のベスト5には間違いなく入ると思う。 冒頭はコミックスのタイトルと同じ「新婚ごっこ。罰ゲームとして高校生の男女が新婚さんとしてのやり取りさせられるが巧くいかないという序盤から、練習として女の子の家に行ってあれこれと段階が進んでしまう流れ。男の方が鈍感で気づいていないが女の子から明らかな態度で好きと訴えている構図で、一緒にお風呂入ったり、初夜迎えたりと、しっかりと描いている。おとなしそうでいて妙に興味津々だったり積極的だったりする女の子が可愛いし、やり取りも妙におかしさを感じさせる。 おまけの描き下ろしは、これの後日談で本当の新婚さんになった頃のお話。 他、サークルの先輩と飲み会をきっかけに結ばれる「面倒なんて言わないで」とか、幼い姉妹二人との初めてを描いた「ち○んちんみせろ」など、バラエティに富んでいてどれも存在感がある。 普通のやり取りの中で少し印象に残る台詞回しがあったり、初めて男性のものを見た時の女の子の反応とかしっかり描いてあったりするところが好みだった。実験として1部屋で一緒になった男女の観察という設定で、観察している姿の見えない二人の余計な筈の雑談が妙に味わいがあったり。 総じて純愛系ないし和姦路線のもので、無理やり力ずくとか陵辱系の作品はないものの、甘々エロだけでもないのは、いろいろと試行錯誤しているのが見える。「革命の日」や「放課後ナイトメア」などは設定だけみると脅迫とか従属とかの分野に入るのかもしれない。パラレル設定を使った「並行彼女」は面白いけど少し評価がわかれるか。 これからもコンスタントに描いていって欲しい。どういう方向に行くのか、どんな話を描くのかが非常に楽しみ。 |
「ラブラブしちゃうぞ」 はんざきじろう/双葉社
メンズヤング増刊で描いている作品を集めた本で8本収録。成人マークなしなので消しなども他と比べると大きいが、やっている事はエロ漫画誌と差はない。もともとが局所の描き込みとかを多用するタイプの人ではないのでそれほど支障はないように見える。 読み切りではあるが冒頭の「ラブラブおそろいシスター」の続編が巻末に来るという構成にしている。最初は姉妹相手で、続編はさらに母親も加えての話で、男一人に女複数という組み合わせだとはんざきじろうっぽいと感じる。 中では「いちゃいちゃモーニング」が、目覚めて一人でゲームしている彼女にイタズラしつつその気にさせてという流れの話で非常にエロくなっていた。最終的な彼女の一言で二人の関係性がわかるところなども、何だか効果的。 女教師と生徒のカップルを描いた「いちゃいちゃ仲直りH」も、タイトルの通りで、後輩と仲良さそうにしているのを焼きもちやく様子とかその後とかを可愛く描いている。妄想シーンで少し出たけど、続き描いたら後輩の女の子も加わるんだろうなあと感じる。 憧れの隣人のお姉さんとの初めてを描いた「ときめきとなりのお姉さん」も定番ストーリーながら巧みでエロい。そんなに斬新というお話はないけれど、レベルは安定して高くてエロい。他も含めて総じて奇をてらったりしないで素直な話で力量を見せている気がする。 その中で「姉×2パニック」は落ちがかなり異色。一種の寝取られみたいなものか。負の印象はほとんどないけど。 充実の一冊で、どの話もレベル高かった。 |
「ラブラブらんぶる」 はんざきじろう/富士美出版
主人公に対して女性人多数という形での連作長編の形になるけれど、どこか独特の感じがする。 最初テストを頑張ったご褒美として、主人公が家庭教師のお姉さんと初体験を遂げ、それを互いに意識しあっていた幼馴染に見られてしまい、けれどもそれがきっかけで結ばれといった前後編でひとつお話が終わり。その後に続きとして恋人関係になっての関係を描いたり、それをヒロインの母親に知られて誘惑されたり、さらにヒロインの母親とご近所の人妻とかを交えたり、ヒロインとその友達二人を交えて四人でとかいろいろなパターンが出てくる。 延べ人数も非常にが多いのだけど、それぞれが薄くなっていないのは描き方が巧いのだと思う。多人数プレイでのシチュエーションが多くて尺が長く描かれている印象になるのも大きいか。幼馴染みとの初めてですら、家庭教師のサポートを受けつつの三人だったし。 なんだか始終肌色な画面構成な感じで、あまりストーリーがどうこうというお話ではないけれど、簡素に関係性をわからせたりするのは巧くしているなと思う。 彼女抜きでのシチュエーションもあるが、全体にあっけらかんとしていてハーレムに君臨といった様子は微塵もない。皆楽しげに見えるのと、主人公が幼馴染みをないがしろにしていたり、積極的に浮気しようとしている描写がないからだと思う。同級生とはヒロイン抜きでもこっそり体育倉庫に行ったりしているが。 それとローション使ってというのはあったけれど、フェテッシュや特殊なプレイなどはなし。 あとがきなどはないけれど、パジャマパーティの話の追加や、エンディングで大学生になった主人公が、逆に家庭教師となって教え子と母親を相手にするカラー読み切りとかおまけになっている。 エロ特化で男一人の多人数プレイというシチュエーションが好みであれば非常に高評価となる一冊だと思う。 |
「彼女日和」 ぽんこつわーくす/竹書房
3回の続きもの「ちぇんじっ!」の他、描きおろしをふくむ6本の読み切りを集めた作品集。 絵柄がぽやっとした感じなのせいか、わりあいほのぼの路線のお話に見えるが、「ちぇんじっ!」なんかは双子の姉の恋人への想いが抑えきれず、変装して結ばれてといった流れから修羅場を迎えている。他に、遠距離恋愛は無理と判断して別れた恋人との再会、意に染まぬ結婚からの逃避とか、案外設定だけ見るとあまり軽くい話に見えなくもない感じであったりする。 「甘い罠」なんかも、まさに姦計にはまって囚われてしまった男の話と言えるし。 ただ、それでも全体的に柔らかさや温かさみたいな感じで覆われている。 成人マークつきではないので、局所描写とかを正面に押し出した描き方にはなっていない。細かい行為よりも、やり取りとか表情、雰囲気でエロさを醸し出す感じになっている。あまり変なシチュにこったりはしていないけど、ページ的にはきっちりとエロに取っている。 何だかんだで甘エロであり、好きな人には堪らない感じ。「ちぇんじっ!」も良かったけど、主人公と年上の彼女との初めてを描いた「星とカノジョ」が良かった。主人公が未経験で教えてあげる的立場での描写がなかなか。これに限らず一回して、そのままの体勢で続けてというパターンが何回かあったが、セリフが妙にエロく感じた。 カバー裏とか、穴埋め4コマとかのおまけも楽しい。 |