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「熟女授業 叔母と未亡人と淫妻」柏木薫
「熟女授業 叔母と未亡人と淫妻」 柏木薫/フランス書院文庫

 同一主人公での長編だが、、大きく分けて三つのパートになっている。それが中学生、高校生、大学生の時の話になっていて、トータルで長い年月を経ているのが、エロ小説としては珍しい。ただ、それぞれのパートはあまり有機的に話の上でのつながりを持ってはいないので、実質三本の中編集みたいなものになっている。

 中学生時代の話は、童貞喰いのお姉様から主人公が逃げ出してしまうというシーンから始まる。普通なら何だそれはと思うところだが、友達とお姉さまの姿を覗いて怖くなったくだりとか「妻交換」を思うと妙な期待感を掻きたてる。
 だが、その後で三十代の未亡人と知り合い、部屋に招かれてあっさりと童貞喪失をしてしまう。一回だけの夢のような経験とかでなく、その後も何度も関係を続けるという酷い期待外れな展開。いや、ひね曲がった期待をしたのがおかしいので、まっとう読むなら筆おろしのお話として良作。汗ばんだ柔らかい胸と乳首を甘い匂いと共に吸うところの描写とか巧いと思う。
 
 しかし高校生になると引っ越しにより、この未亡人とのねっとり関係はあっさりと終了している。次のお相手は近くのマンションに住む31歳の人妻。望遠鏡で自慰行為に耽る姿を見てしまったのをきっかけに部屋に呼ばれる。ここの望遠鏡で覗くという行為がこれまた前作の「妻交換」を連想させる。
 で、欲求不満状態の彼女に攻められ、ずるずると関係を続ける事になるが、わざと夫がいるのに呼ばれる展開とかなかなか。基本的に攻め好きの彼女を主人公が翻弄して、逆にじらしたりしながら今までの浮気体験を告白させるところとかぞくぞくとする。

 最後のパートでは主人公は就職活動で焦る大学生になっている。人妻とは関係が切れているようだが、特にその辺の記述はまったくなし。
 未亡人、淫妻と来たから、最後は叔母だなと思っていると、その予想をさっとかわすように隠しキャラが登場。就職の相談に叔母が教鞭をとる大学へ行った時に紹介された2歳ほど年上な修士課の眼鏡美女で、けっこう魅力的。彼氏はいたがセックスにはあまり慣れていないらしいところとか。自分は主人公の肉棒にためらわずに舌を這わせるのに、お返しをしようとするとシャワーも浴びず汚いのにと恥ずかしがるところの描写が良かった。
 本来、前座的な位置づけの彼女が良かったので、次の正ヒロインたる叔母が少し食われてしまった感じ。タイプも似ているし。

 叔母からは前から好きだったのと告白受け、結ばれて、最後は年齢差とか叔母・甥の関係とかを思い悩みつつも、一緒にいたいみたいな感じで終わり。
 綺麗にまとめているけど、大学生パートのボリュームの関係でちょっと駆け足展開。寄り道なしで叔母だけに特化した方がバランスは良かったと思う。あるいは序盤の方で叔母を出して、主人公も昔から憧れていたみたいな伏線を張っておけば良かったと思う。そうすれば叔母登場時に満を持して登場した最終目標みたいな風情も出た気がする。何だか唐突に出て来た感が否めない。
 関係した四人で言えば、高校時代の人妻が一番ボリュームがあって、最初の一回だけでなく、テレフォンセックスしたり夫の寝ているところでなじるプレイしたりといろいろと描かれていて、叔母とは本当に最後に少しだけ。
 
 全編を見ると正直、作中での時間経過にはあまり意味があったようには思えない。中学生と大学生での違いみたいなものもないし。それぞれ別な主人公の別な話の方がすっきりしたと思う。それぞれのお話自体は、どれも良く出来ていて、さりげない記述や描写がエロさを醸し出しているところは非凡だと思う。 
 傾向は違うものの「妻交換」も本作の2作を読むとレベル高いものを書く人だと判断できるのだけど、今のところ2冊書いただけで筆を絶ってしまっているのがひじょうに勿体ない。3冊目を出すのならどんな話になるのかは楽しみなので、いつの日にかひょっこりと新刊が出るのを期待する。

        

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2008/07/10 06:56】 | 柏木薫 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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