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「あきそら」1巻/糸杉柾宏
「あきそら」1巻 糸杉柾宏/秋田書店

 Blogなどで紹介される時にたいてい「そこらのエロ漫画よりよっぽどエロい」といった主旨の事が述べられているが、確かにそこらのエロ漫画よりよっぽどエロい。
 裸描写や性行為自体の割合はそんなには多くないし、消し云々以前にさすがに局所描写はしていないが、シチュや描き方が巧い。登場人物達とその関係性をじっくり描いている中でのエロ部分なので、むしろエロ表現に過度に走ってない事は効果的に働いているようにも思える。

 第一話で主人公が魅力的な姉を過度に意識しているが、姉から一緒に風呂に入ろうと誘われて拒みきれず、洗われて愛撫されて射精してしまうという流れが何とも言えず良い。そこから少し逡巡があって結ばれて、それだけで一短編として成り立つような構成。ここら辺、普通のエロ漫画のページ数だと、風呂場でそのまま最後までいってしまうのだろうなと思ったりした。
 それからも、家族に見つかる危険を冒しつつ口で奉仕したり、体育倉庫でしたりと行為はなかなか。初めての時は女性上位でまたがってされたので、後で自分が上になってみたらどこにどうすればいいのかわからなくて慌てる表現とか秀逸だと思う。

 姉好きの人であれば非常にレベルが高く、本当に読んでいて至福。ただ、姉弟二人だけで連載を続けるのも難しいのか他の要素も豊富に混入されていく。ある意味、とんでもなくあざとい構成と言えなくもない。主人公に想いを寄せる巨乳で眼鏡のクラスメイトの存在とか、主人公の双子の妹の存在とか。この双子の妹は主人公より男っぽく、主人公に想いを寄せている少女に協力しつつも、実は彼女に恋しているとか、複雑な関係を構築している。他にも、同じマンションに露出願望のある少女とかいたり。続巻ではまた絡んでくるのだろう。母親もエロゲのように若々しいし。
 そもそも主人公が、妹と入れ替わってまったく違和感ないくらい女の子っぽい外観で、やたらと女装させられるシーンが多いのも、ある層へのアピールが大きいと思う。改めて考えると凄くあざとい。そこが良いのだけど。

 いろいろと揺れたり一波乱あったりしつつも最終的に姉弟の関係は崩れないで終わると思うのだけど、どうだろう。変に斜めの方向に行かないでいいから、普通に話を展開して欲しい。タイトルは姉弟の名前からつけられているけど、秋の空に掛けてあったりすると怖い。とにかく続きが楽しみだ。

        

 

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2009/01/08 23:06】 | 糸杉柾宏 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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