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「山崎シリーズ」相馬哲生
「隣人の妻 六つの禁断寝室」 、「【タブー】禁じられた隣人たち」、「五つの大罪 禁断の贈りもの 」  相馬哲生/フランス書院文庫

 文庫用の書き下ろしなのか、どこかの雑誌に掲載されていたものををまとめているのか不明だが、同一の主人公での短編連作が収録されている。三冊も続いているのは珍しいのではないかと思う。
 主人公山崎は既婚で幼稚園に通うような小さな女の子もいるサラリーマン。短編なので、あまりどんな仕事をしているか等の日常の描写は薄い。
 とにかく各話、最低1人、場合によっては何人かの女性を相手にする。全部で十数話にもなるので、けっこう多彩。もともとの知り合いから話の中で初めて出会った娘まで、年も高校生の少女から熟女までと幅広く関係を持っていく。向こうから好意を向けられる場合もあるけれど、気を引くような女性を見かけると、欲望に忠実に動く。多少強引なところはあれど無理やり力づくでなどという真似はしない。
 どれを取ってみても、レベルは維持していて、1本1本はそこそこ良作。ツボに入るヒロインやシチュであればさらに加算になるかと思う。夫と喧嘩した新婚旅行中の新婦、旧友の娘と母親、娘の幼稚園の先生、上司の奥方、妻の友達、元の部下など改めて見ると本当にヒロインはいろいろだと感じる。
 最後に何故か露出プレイになってしまう社長令嬢の話と、その次の母親の話の連作がかなり好みだった。母娘比較している描写とかがシチュ的に何ともエロかった。上司の夫人との話はラストが海堂剛氏の作品を彷彿とさせたりもする。似た感じのがもうひとつあってそちらもラストが同じなのがさらに似ていると微笑を誘った。

 しかしまとめて読んでみると、山崎が凄いなと感嘆すら覚えてくる。相手にしている人数が凄い事になっている。もちろん一回だけで関係が終わる話も幾つかあるけれど、逆に話の中だけでも何度と無く関係を重ねていく描写があり、なおかつ継続したまま話が終わるのものもある。むしろそちらが多い。メインヒロインだけでなく、サブのヒロインと関係を持っていたりもするし。話と話で時間の経過があったのだとわかるくだりもあるけれどせいぜい数年の間の出来事だろうし、瞬間風速的には同時に何人とそうした関係を続けているのか。円満らしい家庭を持っていて、普通に勤め人として働いていて、それでこうまでと考えると異様にすら思える。単純に費やす時間と労力、費用とか考えるだけでもどうなっているのか。あくまで本に載っているのは全てでなく、多大な遍歴の一部だろうし。

 このまま四冊目、五冊目と巻を重ねていくのかと期待していたが、三冊でとりあえずシリーズは止まってしまった。まだまだ幾らでも話は出来そうなんだが。見舞いに訪れた病院に勤める看護婦とか、娘のピアノ教室の先生とか、魅力的に成長した遠縁娘とか。このまま終わるのは残念な気がする。

       

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2008/12/18 06:09】 | 相馬哲生 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「兄と妹/犯された蜜獣」館淳一
「兄と妹/犯された蜜獣」 館淳一/マドンナメイト

 出版日とか見ると昭和の御世だったりするけど、今読み返してもあまり古びた感が無いのがさすが。ひとつには新本格推理小説を彷彿とさせる舞台設定・人間設定のおどろおどろしさがあるからかもしれない。普通の学園ものとかの方が恐ろしい速度で古くなったりするから。
 出版社側でつけたのか、タイトルがネタばらしになっているのはどうかと思う。カバーに書いてある粗筋なんかはさらに酷く、従妹と母でなくて妹と義母ってはっきりと書いてあるし。ともあれ、肉体的・本来的な意味での近親相姦と、精神的な意味での近親相姦との両方とで構成された作品になっている。対象は妹と母親なので館淳一作品にはよく出るゴムマリのような胸の美女とかは出てこない。

 前半で高校生の主人公は実は養子だと明かされ、実家(義父の弟)の方で跡継ぎが事故死した為に戻る事になり生活は一変してしまう。今まで母親に憧憬の念を抱いていたが血の繋がりという禁忌は無くなり、今まで叔母・従妹であった存在が母・妹となるがそう簡単には意識は変わらない。この辺りの設定はやっぱり巧い。
 で、母親だった人と擬似相姦したり、今までいとことして性的な行為をしていたのが妹だったとわかって愕然としたりするのだけど、エロ的なものが序盤に集中してしまっている印象がある。後半でもいろいろとあるのだけど、密度が薄くなったうように感じる。
 ひとつには序盤の従妹と思っていた頃の妹、麻耶とのやり取りが良すぎるのが原因だろう。透けるような白い水着で誘惑してきたり、初キスを奪ったり、思い出に裸を写真に撮りたいと言うと魅惑的な裸身をさらしたり。挙句、お互いに性器を愛撫しあって絶頂に達する描写とかが実に秀逸。次に再会した時は葬儀の場だったが、空き部屋に隠れてまたいやらしい事をしてしまう。少し大きくなった胸を弄って舌でイかせてやり、お返しにペニスを弄られ咥えられ精液を放ったりと、ここも実に良い。「今度会ったときは、ちゃんとセックスしようよ。ね……。麻耶のバージン奪って」なんて台詞に期待が膨らむが、素直に初体験に向かわず、義母にベクトルが向いてしまう。主人公の初体験も妹とではなく義母が相手。これはこれで濃厚だが、「兄と妹」ってタイトルだろうと言いたくはなる。
 実家に戻ってから、麻耶と結ばれるシーンもあるのだけど、描写が少ない。二回目以降でまだ自身の直接の絶頂はないが、兄が自分の中で果てるのに精神的な悦びを感じるところとか、「朝のホットミルク」なんて台詞、主人公が同居を始めた時に、平気で夜這いにきて手と口とで快感を与え合ったりしていたところとか、しっかりと描いてくれれば相当にエロくなったろうにと残念。

 一方の義母の方も、冒頭で自慰に耽っているシーン、いなくなってしまう「息子」に大人の女性を教えるのシーンなど濃厚。主人公が秘所について教えられながら、麻耶の幼さの残るそこと比較しているところなんかも凄く良い。ただ、一回交わってから別れの日まで何度も交わったなんてのは一行の文章ですまされてしまう。
 後半に訪ねてきた時も、続けざまに若い牡の精をしぶかせたり、プレイとして不貞を責めてスパンキングをしたりといったシーンがあったりはするけど、あっさり。

 他、実母の下着を見つけて自慰をして精液まみれにしてしまったり、それを使って母が指で慰めるのを見てしまったり、麻耶がしているレズ行為を覗いたりと、いろいろあるのだけど、やっぱり描き方が薄め。やっぱり前半の方がエロ的なボリュームは上。もっとページ数確保してみっちり描いて欲しかった。
 終盤の兄の死の秘密とかの怒涛の展開、いろんな伏線を消化して綺麗に結末をつけているのは見事だけど、エロ小説としての面白さとは少し外れるとは思う。実母との相姦話なんかもみっちり描いてもよかっただろうし。ただ、なし崩しにハーレム展開になったりしてとってつけたように終わるという話だけでなく、こういうのもたまには良いかなと思うけど。
 でも、前半読むと後半がやっぱり惜しい。
 しかし何が「犯された蜜獣」だったのだろう。

        

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【2008/07/01 01:08】 | 館淳一 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
「淫獣の群れ 実母と姉弟」 田沼淳一
「淫獣の群れ 実母と姉弟」 田沼淳一/フランス書院文庫

 田沼淳一作品の中では異色作だと思う。
 仰ぎ見るしかないような美人が脅迫により抗いつつも牝奴隷になったり、大きな子供がいるなどとはとても思えず娘と同年代で通用する母親が相姦に堕ちたり……という部分は他作品でもありそうな展開。だがそれら行為を行っている主体者がいつもとは違っている。いつもであればペニスストッパーをはめられてマゾ気質を開発されてしまう筈の主人公の少年が出てこない。いつもなら受け側の立場から描かれるところが、攻め側からの話になっているので、雰囲気とがらりと変わっている。
 自分の姉や母を快楽の為に欲しいままにして調教するというのも充分酷いのだが、赤の他人が肉親同士を従わせて種付けさせようと企むのと、血の繋がった相手に自分の子供を産ませたいと思うのとだと、後者の方が陵辱の度合いが比較的下がるように思える。
 主人公の狙いはあくまで母親で、姉に対しては抑圧されていた事への復讐と母親をものにするまでの代用品としての調教なのだけど、それはそれで錯覚含めて恋愛感情が姉に芽生えてしまっているし。実際、エレベータでキスされたり帰りに恋人のように寄り添う姿など、陵辱者との間であまり起こりえない姿で、ここだけ見るとどこの純愛物だと思ってしまう。

 自分の肉便器扱いする一方で、姉を自分の友人を誘惑させ性的な関係を持たせたあげく、あくまで自分に隷属させつつ一種の仮面結婚させる流れがあったりもする。結婚させた上で自分の子供を生ませようと画策したり。これもクローズアップすると一本描けそうな話なのだけど、正直薄かったのが惜しい。こういうのは寝取りとも寝取らせとも違うのだが何なのだろう。他の作品ならこちらの少年が調教させられた展開になったのじゃないかと思う。

 「淫獣の群れ」の前に書かれた「美姉弟」と比べると弟が姉・母と関係を持つ(持たされる)ところとか姉や母のキャラクターがけっこう似通っているのだけど、まるで違った作品になっているのが面白い。「美姉弟」は少年の方も少女達から調教されて、母子相姦や姉弟相姦させられる流れだし。姉弟が互いに愛し合う辺りも似て大きく違うのか。でもどちらもやはり田沼淳一ならではの作品だなと読んでて感じさせられる。

 それにしても、姉と母を自分の性奴にする話なんてのは他にもあるだろうけど、姉を先に調教したから後からの母親は、姉(母親から見れば娘)の妹扱いとする(書いててややこしい)という狂った事をさせるのは他にないと思う。比喩的なものでなく、実の娘に「深雪お姉様」と呼ぶよう強制し、それでいてご主人様であるところの主人公は母親を名前でも呼ぶけど母さんとも呼ぶ。やっぱりどこか狂っている。
 他に「孕み」「浣腸」「腋毛」執拗な「アナル責め」とかいろんな要素がつまっていて密度が濃い。

 こういうテイストの話もまた読んでみたい。
 
        

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【2008/05/15 06:58】 | 田沼淳一 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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